江國香織「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」の感想

小説

最近、江國香織さんにハマっています。

物語のストーリーは大胆なところが多いけど、女性の仕草の描写や言葉遣い、考え方がとっても素敵。

今回の物語は、職業や性格の違う女性たちがたくさん出てきますが、一人一人違って興味深ったです。

あらすじ

情熱。戸惑い。欲望。ため息。恋は、泣きたくなるほどの幸福をもたらすこともあれば、つめたい孤独をかきたてることもある。それでもやっぱり、誰かを好きにならずにはいられない。日常を舞台に、かろやかに、ひたむきに、恋と向きあう女たち。主婦、フラワーショップのオーナー、モデル、編集者など、9人の女性たちのからみあう恋愛模様を、洗練された筆で描いた傑作長編小説。

感想

物語としては、9人の女性たちの日常を描いた小説。それぞれの女性と夫や彼の視点からも描いています。

江國さんの描く女性は、自由で自立していて、でもちゃんと女性らしくて、賢い。そして孤独。

今回は9人もの女性が登場するけれど、みんな違ってそれぞれの魅力がありました。

あと、その9人の女性たちが友人だったり、姉妹だったり、時々公園で会う顔見知りだったり、どこかでつながっているところも良かった。

ハッとするような展開や結末があるわけではないけれど、だからこそ本当にありそうな誰かの日常で、どんどんハマっていきました。

恋が登場する小説だけど恋愛小説という感じではなくて、女性の生き方を描いている一冊に感じた。

どの女性も自分の意思で人生の選択をしていて、そこが一番良かった。

2003年に発売された本だけど、令和の今読んでもグッとくる本でした。

印象に残ったところ

何かを選びとるためには、別の何かを諦めなくてはならないのだ。

時期というのは存外あるものだという気が麻里江にはどうもしてしまう。

レビューはこちら


コメント

タイトルとURLをコピーしました