遠野遥「破局」の感想

小説

遠野遥さんの「破局」を読みました。

主人公の「虚無」を見事に表現している作品でした。

あらすじ

私を阻むものは、私自身にほかならない――ラグビー、筋トレ、恋とセックス。ふたりの女を行き来する、いびつなキャンパスライフ。28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。

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感想

小説を読むと主人公やそれ以外の登場人物に共感して、だんだんと好きになったり、気になる存在になってのめり込んでいくけれど、

この作品はどの登場人物にもハマっていかなかった・・・。

主人公の生活や思考がすごく具体的に表現されていて、エッセイみたいだったし、心の声がだだ漏れなのに逆にすごい。

「印象に残ったところ」に書いた箇所がこの主人公の核心をついているなぁと感じた。

あと、141ページと短い作品なのに「虚無」をめちゃくちゃ具体的に表現している作品だと思う。

スポーツもでき、優秀で女性にもモテる主人公だけど、内面の弱さをいつも理性で閉じ込めている。

それがあるふとしたところで、外に出て致命的な傷を負わせてしまう。

なぜこういう思考になったのか、主人公の幼少期を知りたいなと思った。

印象に残ったところ

私はこの女にわざと脚をぶつけようとした。が、自分が公務員試験を受けようとしていることを思ってやめた。

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