またまた江國さんの本を読みました。
ある夫婦の話で、妻・瑠璃子と夫・聡の両方から語られる物語。
同じ風景を一緒にみていても、感じることや考えていることは違う。
江國ワールド全開な物語でした!
あらすじ
この日常に不満はない、と瑠璃子は思う。淋しさは人間の抱える根元的なもので、自分一人で対処するべきで、誰かに―たとえ夫でも、救ってもらえる類のものではない。瑠璃子と二歳下の夫、総。一緒に眠って、一緒に起きる。どこかにでかけてもまた一緒に帰る家。そこには、甘く小さな嘘がある。夫(妻)だけを愛せたらいいのに―。恋愛長編。
感想
夫婦ともに孤独を感じていて、お互いに秘密を作る夫婦の話。
瑠璃子のように、感情的な面も持ち合わせているのに、大事なところで理性を持って決断できる女性って稀だと思う。かっこいい。
夫婦両方の視点から描かれているので、一緒にいるのに違うことを感じたり考えたりしているのが面白かった。
聡は最終的にどうするのだろう。現状維持が良さそうだけど、現状維持ってそもそもどんな場面でも難しい。
江國さんの小説は不倫の話が多いけれど、登場人物が器用で、色んなことをわきまえているからか、
ドロドロしていなくて不快感がない。むしろ清々しい。
印象に残ったところ
「なぜ嘘をつけないか知ってる?人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」
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