益田エリさんのエッセイ「上京十年」を読みました。
最近、エッセイにハマっている( ^ω^)・・・
人によって文体も異なって面白いです。
益田エリさんの本は初めて読みましたが、等身大の言葉で綴られていて、友達と会話しているような感覚を覚えたのが新鮮でした。
概要
OL時代に貯めた200万円を携えいざ東京へ。イラストレーターになる夢に近づいたり離れたり、高級レストランに思いきって出かけ初めての味にドギマギしたり、ふと老後が不安になり相談窓口に駆け込んだり。そして父から毎年届く御中元に切なくなる。東京暮らしの悲喜交々を綴るエッセイ集。
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感想
エピソードや使う言葉がどれも等身大で、だからこそ友達と話をしているような感覚になったのかなと思う。
老後が不安になって区役所の相談窓口に行ったり、退去費用に納得がいかなくて不動産会社に手紙を書いたり、自分で納得するまで行動する姿が面白かった。
日常の中で、みんな感じるけどわざわざ言葉にせずにそのまま流してしまうようなことがたくさん詰まっているエッセイだった。
益田エリさんに会ったことも話したこともないけど、まるで親しい友人のような距離感で益田さんの生活や頭の中を覗き見れた感じ。
エッセイって、だからこそ面白いのかもしれない。
最近コロナ禍でなかなか人に会ったり、他愛もない話がしにくくなっているからこそ、本で読むことができるのは嬉しい。
印象に残ったところ
ありがたいことに、空しい気持ちは例えば「野菜も食べてる?」という実家の母からのたあいない電話で吹き飛んでいくこともあるので心強い。(中略)でも、でも、空しい気持ちをちゃんと味わえる感覚は持って生きていきたいと思うのである。
お金を多く払ったぶんだけ、それに見合うサービスが欲しい。そう思うのが間違っているとは言わないが、そのことでイライラしたり、感じが悪くなる自分を見ていると、お金って人を変える力があるんだなと怖くなるのである。
いつかいつかと思っているうちに時間が過ぎていくことを、わたしもなんとなく気づき始めている。(中略)37歳のわたしなりに老いていく不安はある。
大人になってから、気づくことがある。あの先生はがんばり過ぎてたなとか、あの先生は変だったとか、あの先生は考えが古かったとか、あの先生は本当に心の広いだったなとか。(中略)何十年もの月日をかけて、大人になった当時の教え子たちから冷静な目で改めて評価される。先生っていう職業には、こういうこともセットになっているのだろう。
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